2012年07月02日
ハチワンダイバー25巻解説
当方テニスブログですが、ヒマなので「ハチワンダイバー」等で検索して来てくれる方もいるようなので
ハチワンダイバー25巻を初心者向けに解説していきます。
この巻では2局の将棋が載っていますが、前半は鬼将会トーナメント1回戦
男の娘暗殺者・明太vsなるぞうくん(着ぐるみ)の一戦です。
明太の矢倉に対して、なるぞうくんは雁木の構え。
『ハチワンダイバー』で雁木といえば二こ神さんですが、既に亡くなっていますし
右角が言うように序盤が雑なこともあり、なるぞうくんの中身は二こ神さんではないようです。
局面も、二こ神さんのように分厚い構えから入玉含みに指すことはできない状態ですが
「不利」というほどではなく、△4五歩と無理やり角道をこじ開けて総攻撃開始です。
推測手順ですが、
▲4五同歩△6五歩▲4六角△6六歩▲同銀△同角▲同金△同飛▲6七歩△5六飛
と進んで上図。
角と金銀の二枚替えの上、飛車が大活躍でなるぞうくん絶好調です。
角取りと△5八金打の両方を受けるには▲5七銀か▲4七銀くらいですが、
△4六飛▲同銀と飛角交換の後、△4七角から馬を作られるくらいで困ってしまいます。
そこで明太は▲7三角成と攻め合いに出ますが、
△5八金▲7九玉△4八金▲7七角打△5七飛成▲4四桂打△同銀直▲同歩に△6九銀打。
不利を自覚した明太は局面を複雑化しようとしますが、なるぞうくんは一気に決めに行きます。
この△6九銀は▲同玉とタダで取れますが、一目危険なのでなかなか取れません。
ところが明太はギリギリで見切って▲6九同玉。
△5八龍▲7九玉に再度の△6九銀打で、今度こそ決まったように見えます。
▲6八金△6五桂打▲5八金△7七桂成▲6九玉△7八角▲7九玉△5八金と進んで上図。
▲5八同飛は△6九金打の一手詰めですし、他に適当な受けもありません。
先手玉は受けが不可能な「必至」という状態で、今度こそ、今度こそ完全に決まっていますが・・・
---(追記)---
この場面で▲7七桂と成桂を取れば即詰みはありませんが、
以下△6九角成▲8八玉△7八金打▲9八玉△7九馬で今度こそ受けがなく、
厳密に言えばここで完全な必至となります。
なんとこの▲6一飛で、後手玉が詰んでいるというのです。
囲いが丸々残っているのに即詰みとは・・・私には全くわかりませんでした(・∀・;)
作中では
△4二玉▲4三銀打△同金左▲同歩成△同玉▲3二銀打△同玉▲2一飛成△同玉
▲2三飛成△3一玉▲3二金打(上図)まで。
他にも変化はありますが、いずれも手数は長いものの簡単な詰みのようです。
本局は、「序盤が雑」と言われたなるぞうくんが中盤に総攻撃を仕掛け
受け損ねた明太は一方的に攻め込まれましたが、終盤ギリギリの攻防を見切って
一瞬の隙を突き大逆転、という展開でした。
作中で明太が言っているように、将棋というゲームに逆転が多いのは
「先に王様を取ってしまえば勝ち」というルールだからです。
終盤うっかり詰まされてしまうことを「頓死(とんし)」と言いますが、
つい攻めているうちに駒を渡しすぎるなどして、たまにプロ同士の対戦でも起きてしまいます。
本局も最後は「頓死」の部類に入りますが、これは詰みを見切った明太が見事と言うべきでしょう。
いくら強力な駒をたくさん持っていても、王様を取られてしまえば負け。
強力なサーブやストロークを持っていても、生かせずに重要なポイントを取られてしまえば負けの
テニスに似ていますね。
などと言い残して、今日も無理矢理テニスブログにするのでした(・∀・)
ハチワンダイバー25巻を初心者向けに解説していきます。
この巻では2局の将棋が載っていますが、前半は鬼将会トーナメント1回戦
男の娘暗殺者・明太vsなるぞうくん(着ぐるみ)の一戦です。
明太の矢倉に対して、なるぞうくんは雁木の構え。
『ハチワンダイバー』で雁木といえば二こ神さんですが、既に亡くなっていますし
右角が言うように序盤が雑なこともあり、なるぞうくんの中身は二こ神さんではないようです。
局面も、二こ神さんのように分厚い構えから入玉含みに指すことはできない状態ですが
「不利」というほどではなく、△4五歩と無理やり角道をこじ開けて総攻撃開始です。
推測手順ですが、
▲4五同歩△6五歩▲4六角△6六歩▲同銀△同角▲同金△同飛▲6七歩△5六飛
と進んで上図。
角と金銀の二枚替えの上、飛車が大活躍でなるぞうくん絶好調です。
角取りと△5八金打の両方を受けるには▲5七銀か▲4七銀くらいですが、
△4六飛▲同銀と飛角交換の後、△4七角から馬を作られるくらいで困ってしまいます。
そこで明太は▲7三角成と攻め合いに出ますが、
△5八金▲7九玉△4八金▲7七角打△5七飛成▲4四桂打△同銀直▲同歩に△6九銀打。
不利を自覚した明太は局面を複雑化しようとしますが、なるぞうくんは一気に決めに行きます。
この△6九銀は▲同玉とタダで取れますが、一目危険なのでなかなか取れません。
ところが明太はギリギリで見切って▲6九同玉。
△5八龍▲7九玉に再度の△6九銀打で、今度こそ決まったように見えます。
▲6八金△6五桂打▲5八金△7七桂成▲6九玉△7八角▲7九玉△5八金と進んで上図。
▲5八同飛は△6九金打の一手詰めですし、他に適当な受けもありません。
先手玉は受けが不可能な「必至」という状態で、今度こそ、今度こそ完全に決まっていますが・・・
---(追記)---
この場面で▲7七桂と成桂を取れば即詰みはありませんが、
以下△6九角成▲8八玉△7八金打▲9八玉△7九馬で今度こそ受けがなく、
厳密に言えばここで完全な必至となります。
なんとこの▲6一飛で、後手玉が詰んでいるというのです。
囲いが丸々残っているのに即詰みとは・・・私には全くわかりませんでした(・∀・;)
作中では
△4二玉▲4三銀打△同金左▲同歩成△同玉▲3二銀打△同玉▲2一飛成△同玉
▲2三飛成△3一玉▲3二金打(上図)まで。
他にも変化はありますが、いずれも手数は長いものの簡単な詰みのようです。
本局は、「序盤が雑」と言われたなるぞうくんが中盤に総攻撃を仕掛け
受け損ねた明太は一方的に攻め込まれましたが、終盤ギリギリの攻防を見切って
一瞬の隙を突き大逆転、という展開でした。
作中で明太が言っているように、将棋というゲームに逆転が多いのは
「先に王様を取ってしまえば勝ち」というルールだからです。
終盤うっかり詰まされてしまうことを「頓死(とんし)」と言いますが、
つい攻めているうちに駒を渡しすぎるなどして、たまにプロ同士の対戦でも起きてしまいます。
本局も最後は「頓死」の部類に入りますが、これは詰みを見切った明太が見事と言うべきでしょう。
いくら強力な駒をたくさん持っていても、王様を取られてしまえば負け。
強力なサーブやストロークを持っていても、生かせずに重要なポイントを取られてしまえば負けの
テニスに似ていますね。
などと言い残して、今日も無理矢理テニスブログにするのでした(・∀・)