2012年09月25日
ハチワンダイバー26巻解説
当方テニスブログですが、ヒマなので「ハチワンダイバー」等で検索して来てくれる方もいるようなので
ハチワンダイバー26巻を初心者向けに解説していきます。
この巻で決着したのは、鬼将会トーナメント1回戦最終局
中静そよvsジョンス・リーの一局です。
静かに会話している2人ですが、局面は早くも乱戦模様です。
弱点である桂頭がお互い丸出しな上に、リー側の5筋の歩が四段目まで迫っていて
このまま次の△3五角を許せば一気に潰されかねない、緊迫した場面になっています。
普通に数を足す▲5八金などでは、△3五角▲7八玉△3六歩などで潰されてしまうので・・・
▲5八玉。23巻のチッチvs卑弥呼戦に続いて、また顔面ブロックですよ(・∀・;)
一度▲6八玉と上がっているので手損になる上に、玉の頭でまともに受け止めようという
非常に指しにくい手です。本当にこれで受かっているのか・・・?
ここまで来て踏み込まないようでは気合負けというもの。リーは△3五角から一気に攻めたてます。
途中の手順はわかりませんが、角銀交換から△3八銀不成。
飛車取りと△4七飛成の両方を一度に受けることはできず、
リーが「決まりだ」と言うのも頷けます。が・・・
▲6七玉と早逃げされ、飛車を取っている暇がないことに気づいたリーは焦ります。
最強の駒である飛車をタダで取れるのに、取れば負けてしまうとは・・・奥が深いゲームです。
取れる飛車を見逃すことで速度を上げ、リーは攻め続けます。
図の△4六龍でリーは「終わった」と呟きますが、持駒が無いこともあって
これはさすがに細い(頼りない)攻めと言わざるを得ません。
▲5六角と合駒していては、△同銀で相手に貴重な攻め駒を渡すことになるので
▲7五玉は当然の一手ではありますが・・・
王様を五段目まで追われるというのは、普通なら敗北寸前。気持ちの良いものではありません。
なおも攻め続けるリーは、飛車を持駒にして△5七桂成。攻め駒を補充しようとしますが・・・
いきなり反撃の▲5三歩成。受け続けたそよちゃんに、いよいよ攻めの手番が回ってきました。
△5六成桂▲4五角打△8二玉▲5六角△4六飛打▲6七角△7四歩▲6四玉と進んで上図。
王様が五段目どころか六段目まで進み、お互いの玉を目視できる距離にまで近づいてしまいました。
先ほど作った5三のと金が、そよ玉の最強の護衛として働いています。
そよ玉はとうとう七段目に到達。それも護衛なしの単騎入玉です。
リーの持駒には飛車、角、金と協力な駒が揃っていますが
そよちゃんが言うように、玉はただ逃げ回るだけの駒ではなく、全方向に動ける強い駒です。
そよ玉自身が強力な攻め駒としてリー玉を縛り付けており、どう攻めてもカウンターが入ってしまいます。
以下△8二飛打▲7三金打△同桂▲同桂成△8一金打▲5五角まで。
遊んでいた8八の角まで働きだしては、もう粘りようがありません。
先手玉は捕まらず、後手玉は▲8二成桂からバラして簡単な詰みです。
本局は序盤の僅かな隙を突いたリーが無理矢理攻め込み、
ひたすら受け続けたそよちゃんが王様自身で逆襲という激しい将棋でした。
もともと受けが得意なそよちゃんですが、周りの数人が気づいたように
王様の周りをゴテゴテ固める受けから、軽く体をかわす受けに種類が変わってきていますね。
強靭な受けに軽い受け、終盤に見せた鋭い反撃。
初期から最強クラスであったそよちゃんは、さらに棋力を増しているようです。
今の自分なら勝てると思っていたハチワン菅田くんにはショックだったようですが、
さらに追いかけようと次の戦いに臨みます。
2回戦の相手は右角。お互いの得意戦法、雁木vs右四間飛車で足を止めての乱打戦!
・・・というところで26巻はおしまい。待て次号!
当ブログはハイテンション将棋漫画『ハチワンダイバー』を応援しています。
いや、テニスブログなんだけどね(・∀・;)
ハチワンダイバー26巻を初心者向けに解説していきます。
この巻で決着したのは、鬼将会トーナメント1回戦最終局
中静そよvsジョンス・リーの一局です。
静かに会話している2人ですが、局面は早くも乱戦模様です。
弱点である桂頭がお互い丸出しな上に、リー側の5筋の歩が四段目まで迫っていて
このまま次の△3五角を許せば一気に潰されかねない、緊迫した場面になっています。
普通に数を足す▲5八金などでは、△3五角▲7八玉△3六歩などで潰されてしまうので・・・
▲5八玉。23巻のチッチvs卑弥呼戦に続いて、また顔面ブロックですよ(・∀・;)
一度▲6八玉と上がっているので手損になる上に、玉の頭でまともに受け止めようという
非常に指しにくい手です。本当にこれで受かっているのか・・・?
ここまで来て踏み込まないようでは気合負けというもの。リーは△3五角から一気に攻めたてます。
途中の手順はわかりませんが、角銀交換から△3八銀不成。
飛車取りと△4七飛成の両方を一度に受けることはできず、
リーが「決まりだ」と言うのも頷けます。が・・・
▲6七玉と早逃げされ、飛車を取っている暇がないことに気づいたリーは焦ります。
最強の駒である飛車をタダで取れるのに、取れば負けてしまうとは・・・奥が深いゲームです。
取れる飛車を見逃すことで速度を上げ、リーは攻め続けます。
図の△4六龍でリーは「終わった」と呟きますが、持駒が無いこともあって
これはさすがに細い(頼りない)攻めと言わざるを得ません。
▲5六角と合駒していては、△同銀で相手に貴重な攻め駒を渡すことになるので
▲7五玉は当然の一手ではありますが・・・
王様を五段目まで追われるというのは、普通なら敗北寸前。気持ちの良いものではありません。
なおも攻め続けるリーは、飛車を持駒にして△5七桂成。攻め駒を補充しようとしますが・・・
いきなり反撃の▲5三歩成。受け続けたそよちゃんに、いよいよ攻めの手番が回ってきました。
△5六成桂▲4五角打△8二玉▲5六角△4六飛打▲6七角△7四歩▲6四玉と進んで上図。
王様が五段目どころか六段目まで進み、お互いの玉を目視できる距離にまで近づいてしまいました。
先ほど作った5三のと金が、そよ玉の最強の護衛として働いています。
そよ玉はとうとう七段目に到達。それも護衛なしの単騎入玉です。
リーの持駒には飛車、角、金と協力な駒が揃っていますが
そよちゃんが言うように、玉はただ逃げ回るだけの駒ではなく、全方向に動ける強い駒です。
そよ玉自身が強力な攻め駒としてリー玉を縛り付けており、どう攻めてもカウンターが入ってしまいます。
以下△8二飛打▲7三金打△同桂▲同桂成△8一金打▲5五角まで。
遊んでいた8八の角まで働きだしては、もう粘りようがありません。
先手玉は捕まらず、後手玉は▲8二成桂からバラして簡単な詰みです。
本局は序盤の僅かな隙を突いたリーが無理矢理攻め込み、
ひたすら受け続けたそよちゃんが王様自身で逆襲という激しい将棋でした。
もともと受けが得意なそよちゃんですが、周りの数人が気づいたように
王様の周りをゴテゴテ固める受けから、軽く体をかわす受けに種類が変わってきていますね。
強靭な受けに軽い受け、終盤に見せた鋭い反撃。
初期から最強クラスであったそよちゃんは、さらに棋力を増しているようです。
今の自分なら勝てると思っていたハチワン菅田くんにはショックだったようですが、
さらに追いかけようと次の戦いに臨みます。
2回戦の相手は右角。お互いの得意戦法、雁木vs右四間飛車で足を止めての乱打戦!
・・・というところで26巻はおしまい。待て次号!
当ブログはハイテンション将棋漫画『ハチワンダイバー』を応援しています。
いや、テニスブログなんだけどね(・∀・;)
自分は将棋をハチワンを読んで始めた初心者なのですが、
この ジョンスVSそよ の棋譜は、
プロか何かの対局が元となったのでしょうか?
それとも監修の鈴木八段の創作ですかね?
実際の対局でも「そよ長様が単騎で入玉!」みたいな展開があるのかな、と思いまして。
さすがに、初めから自玉で相手玉を詰めようと入玉を試みることはないかと思いますが…
長々とすいません。ご存じでしたらご教示お願いします。
さっそくですが、このジョンス・リーvsそよ戦は
2002年10月11日の新人王戦、木村一基六段vs鈴木大介七段(ともに当時)が元棋譜です。
知ってみれば『顔面ブロック』も『玉さばき』も、木村さんの得意な指し回しで納得ですね。
コメント頂いた通り最初から王様で攻め込む人はいないので、逃げ回っているうちに
王様同士の一騎打ち!のような派手な展開になったのでしょう。
このような過去の棋譜は、『将棋の棋譜でーたべーす』
ttp://wiki.optus.nu/shogi/index.php?lan=jp&page=FrontPage
で調べることができます。興味がありましたらご覧くださいませ(・∀・)
そして、これからも『ハチワンダイバー』をよろしくお願いします(*≧∀≦)