2012年05月20日
ハチワンダイバー24巻解説(2)
当方テニスブログですが、ヒマなので「ハチワンダイバー」等で検索して来てくれる方もいるようなので
ハチワンダイバー24巻を初心者向けに解説していきます。
この巻では2局の将棋が載っていますが、後半は鬼将会トーナメント1回戦
コードネーム「かなしいいろやねん」vs医師シャンチーJr.の一戦です。
「かなしいいろやねん」の向飛車に対して、シャンチーは持久戦型居飛車。
シャンチーは「美しいほどの序盤の組み立て」と言っていますが、
ここまでは単なる駒組みの段階で、アマチュア有段者同士の対戦でも珍しくない形です。
△4五桂▲同桂△同歩▲6五桂と進んで・・・ん?▲6五桂?
▲6五桂はさすがにポカ(悪手)で、△7四桂のカウンターが入ってしまいました。
銀取りで、しかも放置すれば△6六桂▲同歩△6七銀▲同金△7八角で終了してしまいます。
なので我慢の▲5七銀。これは「間違えました、ごめんなさい」という手で、
形勢は悪いながらも辛抱して逆転の機会を探る方針です。
シャンチーは当然△6五銀。桂得しながら銀が前進して、悪いはずがありません。
「かなしいいろやねん」も決め手を与えず粘りますが、べたっと貼りつく△5八金。
▲同金は△同桂成と金をはがされた上に角取りで桂を成られますし、
角を取られれば△6四角の準王手飛車の筋があり受け切れません。
しかし「かなしいいろやねん」、▲3三桂成から驚異の粘りを見せ逆転。
図の▲4五桂で決まったかに見えますが・・・
△4四金▲同角に△3三桂。これが本局最難関の勝負手です。
これはただ王手を受けただけではなく、
△2九角▲1七玉△2八銀不成▲同玉△3八角成▲同銀△3七銀▲同玉△4七金▲同銀
△同歩成▲2七玉△3八竜▲1七玉△2八銀▲1八玉△1九銀成▲同玉△1七香
までの19手詰めがかかっている・・・そうです。
9手詰めが限界の私の頭では詰ませられません(・∀・;)
そこで▲3七桂。
先程の△2九角からの19手詰めを消しながら
▲3三桂成△同金▲同角成△同玉▲4五桂打△4二玉▲5三金△3一玉▲4二銀△同飛
▲同金△同玉▲3二飛△同玉▲3三金△4一玉▲4二金
までの17手詰めに仕留める「詰めろ逃れの詰めろ」の決め手でした。
19手詰めを解除して17手詰めをかけるとは・・・まさに「詰将棋は芸術作品」です。
さて。「かなしいいろやねん」に指示を出しているのは
早指しの達人『マッハ』大平五段
無理攻めを通す『戸辺攻め』戸辺六段
詰将棋の芸術家『看寿賞』浦野七段
の実在プロ棋士3名。それも特徴あるスペシャリスト揃いです。
無理矢理テニスに例えるなら・・・
サーブは『250kmサーバー』カロビッチ
ストロークは『Air-K』錦織圭
ボレーは『悪童』マッケンロー(←古)
さすがに強力ですが、これでフェデラーに勝てるでしょうか?
私ならフェデラーに1万円賭けますな。
理由は「方針のブレ」です。
カロビッチはサービスエースを取ろうと思い切りサーブを打ち、
錦織くんはストロークでエースを取ろうと強打し、
マッケンローの出番はない。
対するフェデラーは、最初から次の展開を考えたサーブを打ち、少しずつ追い詰めて仕留める・・・
といった展開になりかねません。
個々の能力が高い人達を掛け合わせればさらにプラスになる、とは思えないのです。
『船頭多くして船山に登る』との諺どおり、3人のプロ棋士を集めた「かなしいいろやねん」は
あっさり負けてしまうと予想しますが、どうなりますでしょうか。
気になる『ハチワンダイバー』25巻は6月発売予定です。
しばらくお待ちください(・∀・)
ハチワンダイバー24巻を初心者向けに解説していきます。
この巻では2局の将棋が載っていますが、後半は鬼将会トーナメント1回戦
コードネーム「かなしいいろやねん」vs医師シャンチーJr.の一戦です。
「かなしいいろやねん」の向飛車に対して、シャンチーは持久戦型居飛車。
シャンチーは「美しいほどの序盤の組み立て」と言っていますが、
ここまでは単なる駒組みの段階で、アマチュア有段者同士の対戦でも珍しくない形です。
△4五桂▲同桂△同歩▲6五桂と進んで・・・ん?▲6五桂?
▲6五桂はさすがにポカ(悪手)で、△7四桂のカウンターが入ってしまいました。
銀取りで、しかも放置すれば△6六桂▲同歩△6七銀▲同金△7八角で終了してしまいます。
なので我慢の▲5七銀。これは「間違えました、ごめんなさい」という手で、
形勢は悪いながらも辛抱して逆転の機会を探る方針です。
シャンチーは当然△6五銀。桂得しながら銀が前進して、悪いはずがありません。
「かなしいいろやねん」も決め手を与えず粘りますが、べたっと貼りつく△5八金。
▲同金は△同桂成と金をはがされた上に角取りで桂を成られますし、
角を取られれば△6四角の準王手飛車の筋があり受け切れません。
しかし「かなしいいろやねん」、▲3三桂成から驚異の粘りを見せ逆転。
図の▲4五桂で決まったかに見えますが・・・
△4四金▲同角に△3三桂。これが本局最難関の勝負手です。
これはただ王手を受けただけではなく、
△2九角▲1七玉△2八銀不成▲同玉△3八角成▲同銀△3七銀▲同玉△4七金▲同銀
△同歩成▲2七玉△3八竜▲1七玉△2八銀▲1八玉△1九銀成▲同玉△1七香
までの19手詰めがかかっている・・・そうです。
9手詰めが限界の私の頭では詰ませられません(・∀・;)
そこで▲3七桂。
先程の△2九角からの19手詰めを消しながら
▲3三桂成△同金▲同角成△同玉▲4五桂打△4二玉▲5三金△3一玉▲4二銀△同飛
▲同金△同玉▲3二飛△同玉▲3三金△4一玉▲4二金
までの17手詰めに仕留める「詰めろ逃れの詰めろ」の決め手でした。
19手詰めを解除して17手詰めをかけるとは・・・まさに「詰将棋は芸術作品」です。
さて。「かなしいいろやねん」に指示を出しているのは
早指しの達人『マッハ』大平五段
無理攻めを通す『戸辺攻め』戸辺六段
詰将棋の芸術家『看寿賞』浦野七段
の実在プロ棋士3名。それも特徴あるスペシャリスト揃いです。
無理矢理テニスに例えるなら・・・
サーブは『250kmサーバー』カロビッチ
ストロークは『Air-K』錦織圭
ボレーは『悪童』マッケンロー(←古)
さすがに強力ですが、これでフェデラーに勝てるでしょうか?
私ならフェデラーに1万円賭けますな。
理由は「方針のブレ」です。
カロビッチはサービスエースを取ろうと思い切りサーブを打ち、
錦織くんはストロークでエースを取ろうと強打し、
マッケンローの出番はない。
対するフェデラーは、最初から次の展開を考えたサーブを打ち、少しずつ追い詰めて仕留める・・・
といった展開になりかねません。
個々の能力が高い人達を掛け合わせればさらにプラスになる、とは思えないのです。
『船頭多くして船山に登る』との諺どおり、3人のプロ棋士を集めた「かなしいいろやねん」は
あっさり負けてしまうと予想しますが、どうなりますでしょうか。
気になる『ハチワンダイバー』25巻は6月発売予定です。
しばらくお待ちください(・∀・)