2011年10月29日
伝説のネット棋士
長文注意。
どうしても書き残しておきたかったので、興味のある人だけどうぞ。
ある日、あなたがいつものコートに行くと、人だかりができていた。
どうしたの?と近くの人に聞くと、覆面をかぶった男が試合をしている、しかも滅法強いという。
見てみると、おお。確かに覆面の男だ。相手は市内でも五指に入る実力者のAさんだ。
覆面男のサーブ。ピシッとコーナーに決まり、ノータッチエース。
そのままAさんは完封負け。聞けばAさんは1ポイントも取れなかったそうだ。
「来週も来ますか?」との声に、覆面男は無言で頷き帰って行った。
次週、果たして覆面男は現れた。
噂を聞きつけた県内の強者を次々と連破し、県代表のBさんをも6-0完封した。
噂が噂を呼び、いつものコートには数百人のギャラリーが集まるようになり
衆人環視の中、ついに覆面男は現役プロをも撃破した。
しかし秋風が吹く頃、覆面男はぱったりと姿を見せなくなり、彼は伝説となった。
作り話だと思うでしょう?
はい、作り話です。
ですがネット将棋の世界で、この覆面男が実在したのです。
「ヒカルの碁」を読んだことがある方なら、伝説のネット棋士といえば「sai」を思い浮かべるでしょう。
その棋士はまさにsaiと同じように、圧倒的な強さの印象だけを残して伝説と化したのです。
その棋士の名前は「dcsyhi」
管理者の方は「デクシさん」と読んでいたので、私もそれに倣います。
ある日私が「24将棋倶楽部」というネット将棋サイトにアクセスすると、ちょっとした騒ぎになっていました。
3000人しかアクセスできない将棋サイトなのに、1局の将棋に1000人近い観戦者が集中していたのです。
何だ何だ?と見てみると、そのデクシさんの対局。
24将棋倶楽部では有名な人物と戦い、圧勝したところでした。
強い。いや、強いなんてもんじゃない。
相手は考慮時間いっぱいの29秒まで考えているのに、デクシさんは一手1~2秒。
勝ち方も圧勝、またはギャラリーを意識したかのような派手な逆転勝ち。
24でトップクラスといえば、アマチュア名人または奨励会員(プロ養成機関)クラス。
それを全く寄せ付けないとは、プロでも名人級の実力だと思われます。
偶然私も見ていた、デクシ伝説で最も有名な局面がこちら。
後手のデクシさん、要所に馬を作られ、次の▲2四香が厳しくピンチです。
ここでデクシさんは・・・
△3七香。 ん?何だこれ?
▲同銀なら△2九飛▲同玉△4九龍でおいしいけど、▲同金で何ともないでしょ。
ところが▲同金に・・・
△5八飛。 ん?何だこれ?
龍がいるから▲同金とは取れない。
馬を逃げたら・・・△4九龍▲同銀△2八金で詰み!?
うわぁぁぁあああ何だこれ!!と、缶ビール片手に絶叫した記憶があります。
・・・とまあ、将棋がわからない人にはわかりにくい話ですが
冒頭の覆面プレイヤーのように、圧倒的な強さの印象だけを残してデクシさんは去りました。
デクシ = 羽生二冠説、森内名人説など色々ありますが、
二人とも沈黙を守っているので真相は闇の中です。
というわけで、アンドレ・アガシあたりが覆面かぶって東陵コートに現れる日を待つ私でした。
もし興味のある方、お疑いの方は「24将棋倶楽部 デクシ」で検索してみてください。
伝説の一端に触れることができるでしょう。
どうしても書き残しておきたかったので、興味のある人だけどうぞ。
ある日、あなたがいつものコートに行くと、人だかりができていた。
どうしたの?と近くの人に聞くと、覆面をかぶった男が試合をしている、しかも滅法強いという。
見てみると、おお。確かに覆面の男だ。相手は市内でも五指に入る実力者のAさんだ。
覆面男のサーブ。ピシッとコーナーに決まり、ノータッチエース。
そのままAさんは完封負け。聞けばAさんは1ポイントも取れなかったそうだ。
「来週も来ますか?」との声に、覆面男は無言で頷き帰って行った。
次週、果たして覆面男は現れた。
噂を聞きつけた県内の強者を次々と連破し、県代表のBさんをも6-0完封した。
噂が噂を呼び、いつものコートには数百人のギャラリーが集まるようになり
衆人環視の中、ついに覆面男は現役プロをも撃破した。
しかし秋風が吹く頃、覆面男はぱったりと姿を見せなくなり、彼は伝説となった。
作り話だと思うでしょう?
はい、作り話です。
ですがネット将棋の世界で、この覆面男が実在したのです。
「ヒカルの碁」を読んだことがある方なら、伝説のネット棋士といえば「sai」を思い浮かべるでしょう。
その棋士はまさにsaiと同じように、圧倒的な強さの印象だけを残して伝説と化したのです。
その棋士の名前は「dcsyhi」
管理者の方は「デクシさん」と読んでいたので、私もそれに倣います。
ある日私が「24将棋倶楽部」というネット将棋サイトにアクセスすると、ちょっとした騒ぎになっていました。
3000人しかアクセスできない将棋サイトなのに、1局の将棋に1000人近い観戦者が集中していたのです。
何だ何だ?と見てみると、そのデクシさんの対局。
24将棋倶楽部では有名な人物と戦い、圧勝したところでした。
強い。いや、強いなんてもんじゃない。
相手は考慮時間いっぱいの29秒まで考えているのに、デクシさんは一手1~2秒。
勝ち方も圧勝、またはギャラリーを意識したかのような派手な逆転勝ち。
24でトップクラスといえば、アマチュア名人または奨励会員(プロ養成機関)クラス。
それを全く寄せ付けないとは、プロでも名人級の実力だと思われます。
偶然私も見ていた、デクシ伝説で最も有名な局面がこちら。
後手のデクシさん、要所に馬を作られ、次の▲2四香が厳しくピンチです。
ここでデクシさんは・・・
△3七香。 ん?何だこれ?
▲同銀なら△2九飛▲同玉△4九龍でおいしいけど、▲同金で何ともないでしょ。
ところが▲同金に・・・
△5八飛。 ん?何だこれ?
龍がいるから▲同金とは取れない。
馬を逃げたら・・・△4九龍▲同銀△2八金で詰み!?
うわぁぁぁあああ何だこれ!!と、缶ビール片手に絶叫した記憶があります。
・・・とまあ、将棋がわからない人にはわかりにくい話ですが
冒頭の覆面プレイヤーのように、圧倒的な強さの印象だけを残してデクシさんは去りました。
デクシ = 羽生二冠説、森内名人説など色々ありますが、
二人とも沈黙を守っているので真相は闇の中です。
というわけで、アンドレ・アガシあたりが覆面かぶって東陵コートに現れる日を待つ私でした。
もし興味のある方、お疑いの方は「24将棋倶楽部 デクシ」で検索してみてください。
伝説の一端に触れることができるでしょう。