2013年04月19日
『第2回電王戦』第4局 プロ棋士執念の引き分け!
4/13(土)に行われた、コンピュータ将棋ソフトvsプロ棋士 『第2回電王戦』 第4局
塚田泰明九段 vs Puellaα は、230手で引き分けとなりました!
私は虫垂炎で入院中のため見られなかったのですが、これは塚田九段はもちろん、
見ていた人も疲れたことでしょう(・∀・;)
勝負のポイントとなったのは72手目、塚田九段の△2六香。
これは上部を開拓して、入玉を目指そうという手です。
塚田九段やや不利か?という局面ではありますが、何よりコンピュータは攻勢に強いので
受けても攻め合いでも分が悪いと見たのでしょう。
実際ここから塚田九段の玉は七段目に達し、意外なことにPuellaαも入玉を果たして
相入玉になりますが、これだけでは引き分けにはなりません。
『玉が0点、飛車・角が5点、それ以外を1点として、互いに24点以上あれば引き分け』
というルールがあり、飛車・角の無い塚田九段の点数が全く足りなかったのです。
コンピュータの評価値(形勢判断)は塚田九段の-3000以下、つまり「もう勝負はついている」
という状態。誰もがプロ棋士の3連敗を覚悟しましたが、塚田九段だけは諦めていませんでした。
そして「入玉に弱い」と言われていたコンピュータがここから狂いだし、5点の大駒を取られたり
自陣の駒を逃がさず失点したりして、とうとう塚田九段が24点に達し、引き分けに持ち込んだのです。
プロ棋士の多くは自分の棋譜が汚れることを嫌って、「見苦しい抵抗」よりも「潔い負け」を選ぶ
傾向にあり、塚田九段も例外ではありませんが、これは団体戦。それも相手は故・米長会長が
昨年敗れたPuellaα。
この一局にまさに命を懸けたプロ棋士が、負け将棋を延々と指す苦痛はどれほどだったことか。
プライドを捨て、その苦痛に耐え、とうとう引き分けに持ち込んだ塚田九段の執念は見事という
他ありません。
「コンピュータは入玉が苦手」という理由はいくつかありますが、
まずは実戦例が少ないこと。データ数が少なく、局面も複雑になるのでミスは出やすくなります。
それから、先述の24点引き分けルール。
普段の 飛車>角>金>銀>桂>香>歩 といった駒の価値が通用しなくなり、
金銀4枚(4点)より飛車1枚(5点)の価値が高くなったり、金と歩が同じ価値になったりしますが
どこから入玉と判断するのか?どの時点で価値をどう判断するか?が難しいようです。
とにかく!塚田九段執念の引き分けで、勝負は最終局に持ち込まれました。
人類代表は「みうみう」三浦弘行八段。現役A級、間違いなく十指に入る一流棋士です。
コンピュータ代表は『GPS将棋』。約700台のPCを接続した、まさにラスボス。
最終決戦は明日、4/20(土)9:30開始です。
頑張れみうみう!負けるなみうみう!頼むぞ我らの勇者みうみう!
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塚田泰明九段 vs Puellaα は、230手で引き分けとなりました!
私は虫垂炎で入院中のため見られなかったのですが、これは塚田九段はもちろん、
見ていた人も疲れたことでしょう(・∀・;)
勝負のポイントとなったのは72手目、塚田九段の△2六香。
これは上部を開拓して、入玉を目指そうという手です。
塚田九段やや不利か?という局面ではありますが、何よりコンピュータは攻勢に強いので
受けても攻め合いでも分が悪いと見たのでしょう。
実際ここから塚田九段の玉は七段目に達し、意外なことにPuellaαも入玉を果たして
相入玉になりますが、これだけでは引き分けにはなりません。
『玉が0点、飛車・角が5点、それ以外を1点として、互いに24点以上あれば引き分け』
というルールがあり、飛車・角の無い塚田九段の点数が全く足りなかったのです。
コンピュータの評価値(形勢判断)は塚田九段の-3000以下、つまり「もう勝負はついている」
という状態。誰もがプロ棋士の3連敗を覚悟しましたが、塚田九段だけは諦めていませんでした。
そして「入玉に弱い」と言われていたコンピュータがここから狂いだし、5点の大駒を取られたり
自陣の駒を逃がさず失点したりして、とうとう塚田九段が24点に達し、引き分けに持ち込んだのです。
プロ棋士の多くは自分の棋譜が汚れることを嫌って、「見苦しい抵抗」よりも「潔い負け」を選ぶ
傾向にあり、塚田九段も例外ではありませんが、これは団体戦。それも相手は故・米長会長が
昨年敗れたPuellaα。
この一局にまさに命を懸けたプロ棋士が、負け将棋を延々と指す苦痛はどれほどだったことか。
プライドを捨て、その苦痛に耐え、とうとう引き分けに持ち込んだ塚田九段の執念は見事という
他ありません。
「コンピュータは入玉が苦手」という理由はいくつかありますが、
まずは実戦例が少ないこと。データ数が少なく、局面も複雑になるのでミスは出やすくなります。
それから、先述の24点引き分けルール。
普段の 飛車>角>金>銀>桂>香>歩 といった駒の価値が通用しなくなり、
金銀4枚(4点)より飛車1枚(5点)の価値が高くなったり、金と歩が同じ価値になったりしますが
どこから入玉と判断するのか?どの時点で価値をどう判断するか?が難しいようです。
とにかく!塚田九段執念の引き分けで、勝負は最終局に持ち込まれました。
人類代表は「みうみう」三浦弘行八段。現役A級、間違いなく十指に入る一流棋士です。
コンピュータ代表は『GPS将棋』。約700台のPCを接続した、まさにラスボス。
最終決戦は明日、4/20(土)9:30開始です。
頑張れみうみう!負けるなみうみう!頼むぞ我らの勇者みうみう!
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